
| がろっとnote・indexへ戻る |
![]()
平成15年12月8日UP
女優の真屋順子といえば、「欽ちゃんのどこまでやるの」(通称「欽どこ」)のお母さん役を思い浮かべるのではないか。
真屋さんの御主人は俳優であり、演出家でもある高津住男さんで、私の世代では「カレー屋ケンちゃん」などケンちゃんシリーズのお父さん役のイメージが強い。こんなこともあって、お二人には甚だ失礼かもしれないが、お父さん、お母さんというイメージが強い。
お二人は劇団「樹間舎」を設立され、活動されていた。
さて、真屋さんは病気で倒れられ、半身不随になられたと聞いていた。
先日、NHKの特集では高津さんの故郷・徳島の農村舞台で「出雲のお国」を演じるまでの日々と、舞台の様子のドキュメンタリーが映し出された。
真屋さんは半身不随になられた後、リハビリを続けられ、車椅子の状態で再び活動を始め、舞台にも上がられるようになった。
賢明に練習に励む真屋さん、そして夫として、演出家として献身的に真屋さんを助ける高津さんの姿に心を動かされたのではないか。
私もその一人で、真屋さんと高津さんの『ありのまま』という本を読んだ。
真屋さんが倒れた日のこと。退院して車椅子で外出したときのこと、御主人高津さんのことなどが綴られている。
さらに、真屋さんと高津さんの講演が近くの町(熊本県の植木町)で行われているということで、行ってみた。
もちろん真屋さんのお話しにも興味があるが、高津住男という人にも興味があった。私の家でも以前、亡くなった祖母(半身付随だった)を介護していて、介護の大変さを少しは知っているからだ。私はその頃福岡市内に住んでいて、週末等に家に帰っていて、少しは手伝いもした。精神的にも大変だし、肉体的にも介護というのは大変だ。抱え上げるときなど、下手をすれば腰を痛める。このような経験もあって、私自身、高津さんの立場がわかり易いのではないかと思う。
本を読んで、真屋さんの病気のこと(その経緯や活動を再開されてからのこと)などが良くわかったが、ご本人の言葉を聞くと、やはり実感が湧く。
分かり易い言葉で、周囲を気遣いながら、お二人で優しく語り掛けるような講演で、拝聴して良かったと思う。言葉・発生も明瞭で聴き取り易く、話が巧いという以前に演劇を通じての客席とのコミュニケーションの能力を高められているという感じがする。
この場であまり本や講演の内容を書いてしまってはいけないと思うので、差し控えるが、真屋さんのお話で印象に残ったのは、心の豊かさということだった。体も大切だが、それを感じる心の豊かさが必要だということ。他者のことを理解し、思いやるのも心の豊かさ、教養だということ。私のつたない表現力では伝えきれないが、こんな印象を持った。
さらに演題(本の題名でもある)「ありのまま」ということ。無理をせずに、そしてその中で出来ること、必要なことを探していく。人間というものはどうしても他者の評価が気になるもので、もちろんそれは必要ではあるが、人の目をきにして「ああしなければ、こうしなければ」と思ってしまう。私などもその典型的な例かもしれないが、あまり人の目を気にせずに「ありのまま」の自分を大切にするのも必要なんじゃないか、と思った。
講演でのこと、真屋さんははじめに挨拶をし、さらに手話の通訳の方に挨拶され、その方の紹介をされた。高津さんはマイクを持って話しながら、演台に置かれたペットボトルの水をコップについでさりげなく真屋さんの前に置く。
お二人の魅力とは実はこんなところに現れているのではないかと思った。
一般的にカッコイイ男性というのは、仕事ができるとか、スポーツができるとか、そんなイメージがあるが、高津さんを見ていると人を助ける心を持っているというのも、魅力の一つなのではないか、と感じた。(高津さんは俳優・演出家として貴重なお仕事をされているし、若い頃はスポーツ万能だったそうだが、それだけではない人物だということで)
真屋さんには、どうか無理をせず、負担のない範囲で活動を続けていただきたいと思う。高津さんもお体を大切に、(特に腰を痛められないように)と思う。
劇団樹間舎のホームページはこちら
| がろっとnote・indexへ戻る |